フィラデルフィア日本人勉強会
日時:6月20日(土) 16:00(午後4時00分)より


場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)


ご講演者(ご所属):眞山学徳(University of Pennsylvania, School of Veterinary Medicine  , The Sasaki Lab, labのHPのリンク →  Sasaki Lab – Sasaki Lab )


ご講演タイトル:ヒトiPS細胞から挑む副腎皮質オルガノイドの機能的層構造再現と、再生医療ベンチャーへのトランスレーショナル展開


ご講演要旨:副腎皮質は生命維持に不可欠なステロイドホルモンを分泌する極めて重要な内分泌臓器であり、同心円状の機能的層構造(Functional Zonation)を形成している 。これまでマウスをはじめとする生体モデルでの解析が進められてきたが、ヒトとげっ歯類の間には副腎の発達やステロイド代謝経路において顕著な種差が存在し、ヒト胚を用いた機能解析の限界から、その発生機序や疾患病態の解明には限界があった。
本講演では、ヒト多能性幹細胞(iPS細胞)を用いて、ヒト胎児期の副腎皮質における層構造のダイナミクスを体外(in vitro)および生体内(in vivo)で忠実に再現した最新の研究成果(Mayama et al., Cell Stem Cell, 2026)について紹介する 。 我々は、副腎皮質を包む「被膜(Capsule)」に由来するニッチ細胞(CapLCs)が供給するRSPO3/WNTシグナルが、副腎原基から胎児期の副腎幹細胞である(Definitive Zone: DZ)の細胞群を運命決定する上で必須であることを突き止めた 。さらに、このDZ細胞がACTHおよびRSPO3の協調作用によってコルチゾールを産生するtransitional zone cells (TZ)やアンドロゲンを産生するfetal zone cells(FZ)へと向心的にトランス分化していくメカニズムを解明した 。本プラットフォームは、X連鎖性先天性副腎発育不全症の病態を再現可能にするだけでなく、DZ cellsをCapLCsでencapsulationしたオルガノイドを免疫不全マウスに移植することにより、生体内でACTH応答性を持つ機能的層構造の再構成にも成功している 。
講演の後半では、これらの基礎研究のブレイクスルーを原動力として、 PhiladelphiaのB+Labsを拠点に立ち上げたバイオベンチャー「SenGen LLC」での取り組みを紹介する。米国におけるポスドク研究員としてのサイエンスから、副腎不全に対する根本的な再生医療の実現を目指したトランスレーショナル・リサーチ、そして資金調達(Seed Round)や起業という実践的なキャリアの展開についてご紹介する。

 フィラデルフィア日本人勉強会

日時:5月30日(土) 16:00(午後4時00分)より


場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)


ご講演者(ご所属):佐野町友美さん(University of Pennsylvania, Perelman School of Medicine, The June Lab, labのHPのリンク →June Lab)


ご講演タイトル:固形がんに対する次世代CAR-T細胞療法のための効率的なラボ運営システムとTR・知財・レギュラトリー戦略



ご講演要旨:私は消化器系腫瘍をはじめとする難治性固形腫瘍の患者さんを診る腫瘍内科医として、既存の薬物療法では救命できない患者さんに頻繁に直面しました。こうした経験から、未充足の医療ニーズに応えるためには、単なる新規治療法の開発にとどまらず、臨床と基礎研究を往復するトランスレーショナルリサーチの体系化が不可欠であるとの考えに至りました。大学病院での初期・後期研修および国立がん研究センターでの臨床・研究経験を通じて、臨床課題の抽出から実験系での検証に至る「ベッドtoベンチ」の研究手法の基盤を築いてきました。しかし同時に、基礎研究の成果を臨床応用へと結びつける「ベンチtoベッドサイド」型の研究に必要な体系的な経験が不足しているというギャップも認識しました。がん薬物療法は著しく進歩しましたが、多くの固形腫瘍は腫瘍縮小にもかかわらず治癒に至らず、既存の治療法の限界が浮き彫りになっています。このギャップを埋めるには、新たな治療法と、それらを確実に臨床応用できるトランスレーショナルリサーチの枠組みを構築する必要があります。こうした思いから、私はカール・H・ジューン博士の研究室に加わり、難治性固形腫瘍に対する次世代CAR-T細胞療法の開発に取り組んでいます。この環境のおかげで、基礎研究から臨床応用、そして再び基礎研究へと至るエンドツーエンドのプロセスで実践的な経験を積むことができ、私のキャリアにおける重要な課題に取り組むことができています。

近年、固形腫瘍に対するCAR-T細胞療法の開発は急速に進展しています。特に、難治性消化器癌においては、CLDN18.2を標的としたCT041試験など、有望な臨床結果が得られています。これらの成果は、これまで未解決の課題と考えられていた固形腫瘍における細胞療法の可能性を示す重要なマイルストーンです。しかしながら、現在の臨床試験のほとんどでは、標的部位以外の腫瘍への毒性など、安全性に関する懸念が未解決のまま残されています。これらの限界に対処するため、最先端の研究は、ANDゲートなどの論理ゲート設計を組み込んだ次世代CAR-T細胞療法の開発に焦点を当てています。例えば、MSLNを標的としたCAR-T細胞療法は有効性を示していますが、重篤な肺毒性を伴うため、安全性の向上が求められています。この課題に対処するため、私たちはMSLNの膜近傍の「断端」領域を標的とするCAR422を開発し、センサーとしてCLDN18.2を用いたANDゲートSNIPRシステムと組み合わせました。このシステムでは、CLDN18.2が検出された場合にのみCARの発現が誘導されるため、腫瘍特異性を高めつつ、腫瘍外毒性を最小限に抑えることができます。初期のin vitro解析では、最小限のバックグラウンド活性化(リーク)を伴う抗原依存性細胞傷害性が確認されました。現在、機能評価とin vivo検証を進めています。最終目標は、前臨床段階で概念実証を確立し、これらの知見を臨床応用へとつなげ、難治性固形腫瘍に対する第I相臨床試験の開始を長期的な目標としています。

このように、固形腫瘍CAR-T療法の将来は、安全性を維持しながら高い有効性を達成する統合的な遺伝子操作戦略にかかっていますが、いくつかの重要な課題があります。CAR-T細胞療法は血液悪性腫瘍において目覚ましい成功を収めていますが、固形腫瘍では免疫抑制性の腫瘍微小環境、抗原の不均一性、および製造上の問題によって有効性が制限されており、依然として発展途上で多くの未解決の課題が残されています。成功するためには、いくつかの重要な視点があると考えています。満たされていない臨床ニーズを起点としたトランスレーショナルアプローチや多様な専門家との分野横断的なコラボレーションを通じてのイノベーションに加えて知的財産と規制科学への理解が不可欠です。優れた科学的知見だけでは不十分であり、発見を臨床応用へとつなげるには、戦略的な開発と規制に関する知識が必要であり、これらの視点を最初から統合することで、トランスレーショナル研究のスピードと成功に大きな影響を与えます。

本発表では、上記の研究開発経験を踏まえ、「固形がんに対する次世代CAR-T細胞療法のための効率的なラボ運営システムとTR・知財・レギュラトリー戦略」について述べさせていただきたいと思います。

具体的には、
・再現性・スピード・スケーラビリティを両立する実験系の構築
・  前臨床から臨床応用への移行を見据えた開発パスの設計
・  知的財産戦略
・  IND申請を見据えたレギュラトリー要件との整合

といった観点から、「良いサイエンスをいかに臨床実装可能な形に昇華するか」というトランスレーショナル研究の実践的枠組みを共有します。

固形腫瘍に対するCAR-T細胞療法は依然として多くの課題を抱えていますが、研究・運営・知財・規制を初期段階から統合的に設計することで、その開発スピードと成功確率は大きく変わると考えています。本発表が、基礎研究から臨床応用を志向する研究者・臨床医の皆様にとって、実装レベルでの示唆となれば幸いです。




 

これまで培ってきた私たちの経験や実績をもとに、数々の素晴らしいお客様にご愛顧いただいております。

フィラデルフィア日本人勉強会
日時:3月21日(土) 16:00(午後4時00分)より


場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演者(ご所属):山内(石川)祐さん (大阪大学 微生物病研究所 遺伝子機能解析分野/University of Pennsylvania, Perelman School of Medicine, The Bartolomei Lab, labのHPのリンク →https://cdb.med.upenn.edu/people/marisa-s-bartolomei-ph-d/)


ご講演タイトル:哺乳類における生殖細胞の動態と体外培養系の可能性


ご講演要旨:生殖細胞は、

個体の遺伝情報を次世代へと伝達する細胞系列である。哺乳類では有性生殖が必須であり、受精を介して母性(卵子)および父性(精子)に由来する独立したゲノムをそれぞれ一組ずつ継承する。これら配偶子は減数分裂を含む厳密に制御された過程を経て産生される点で、体細胞とは異なる独自の形成プログラムを有する。

発表者はこれまでマウスの生体内受精、卵子形成、および精子形成について研究を行ってきた。特に、生体内受精については、"光る精子”を用いて受精の最終地点である卵管内をどのように移動し、卵子に向かうのかについて明らかにした。また加齢に伴う卵子の質的変化を明らかにし、卵子表面に存在する卵子透明帯構造における加齢依存的な変化が受精率低下を引き起こすことを報告した。主にメス側の生殖について研究をしてきたが、最近ではひょんなきっかけから霊長類の精子形成および体外精子形成系構築に関わるようになり、寝ても覚めても精子形成のことを考える留学生活を送っている。今回の発表では生殖細胞および生殖細胞を支える生殖器の生物学的魅力と霊長類精子形成系の構築についてお話しする。



 

フィラデルフィア日本人勉強会
日時:2月28日(土) 16:00(午後4時00分)より


場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演者(ご所属):宮澤龍一郎さん (J. Oriol Sunyer lab, University of Pennsylvania, labのHPのリンク →Sunyer Laboratory – University of Pennsylvania, School of Veterinary Medicine)


ご講演タイトル:魚類免疫系の進化と多様性


ご講演要旨:脊椎動物の免疫系は、病原体から生体を防御するために高度に進化してきたが、その分子基盤および進化過程の全体像はいまだ完全には解明されていない。特に魚類は、脊椎動物の中で最も種多様性に富むグループであり、免疫システムの進化を理解する上で極めて重要な研究対象である。

本勉強会では、全ゲノム重複(Whole Genome Duplication: WGD)という進化イベントに着目し、魚類免疫系がどのように多様化し、機能拡張してきたのかを概説する。真骨魚類は脊椎動物進化の過程でWGDを経験しており、その結果、多くの免疫関連遺伝子が重複・保持されてきた。これらの遺伝子重複は、単なる冗長性にとどまらず、機能分化や新機能獲得を通じて、魚類特有の免疫応答の成立に寄与している。本講演では、免疫受容体や免疫グロブリン関連分子を例に、WGDが免疫機構の進化に果たした役割を紹介する。

学部・大学院時代に所属した日本大学獣医学科魚病学研究室では、コイ科魚類であるコイ(Cyprinus carpio)、ギンブナ(Carassius auratus langsdorfii)、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)をモデルとして、魚類T細胞の機能解明に取り組んできた。特にクローンギンブナを用いた研究から、魚類T細胞が抗原特異的な応答および記憶免疫を担うことを明らかにした。

さらに現在所属するSunyer Labでは、ニジマス(Oncorhynchus mykiss)をモデルに、B細胞機能に着目した研究を行っている。同研究室では、魚類特有の免疫グロブリンであるIgT(Immunoglobulin tau)に対する特異抗体を作製し、IgT⁺B細胞の実体および粘膜免疫における重要な役割を明らかにしてきた。これらの成果は、多様性を持つ魚類免疫機構においても、免疫の根幹をなす仕組みが脊椎動物間で広く保存されていることを示唆している。

本勉強会では、これらの研究成果を基に、WGDという進化的背景のもとで形成された魚類免疫系の進化と多様性について概説したい。

 日時:12月20日(土) 16:00(午後4時00分)より

場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

講演者 (所属):伊藤 謙治(Research Associate in Kenneth S. Zaret lab, University of Pennsylvania, Zaret labのHPのリンク → https://zaretlab.med.upenn.edu/

 

講演タイトル: パイオニア因子は本当に細胞運命変換のマスター因子なのか?

 〜発生過程のヘテロクロマチン動態から見えてきた細胞運命制御機構〜

要旨(校正版):
体細胞初期化やダイレクトリプログラミングは、細胞種特異的な転写因子を人為的に過剰発現させることで体細胞のエピゲノムを変換し、細胞の運命を別の細胞種へと変換する技術です。この体細胞リプログラミングに用いられる転写因子の一部は「パイオニア因子」と呼ばれ、閉じたクロマチン構造を開くことで他の転写因子のアクセスを可能にし、異なる細胞系譜で発現する遺伝子発現プログラムを誘導します。

私自身が日本で行った研究、そして現在所属するZaret Labの研究を通じて、パイオニア因子が発生過程や発がん過程といった生理的な細胞運命変換においても重要な役割を担うことを明らかにしてきました。一方で、パイオニア因子が発現していても細胞運命変換が生じない例も報告されており、細胞内にはパイオニア因子の働きを制限する阻害機構が存在する可能性が示唆されています。

私はこの阻害機構の一つとしてH3K9me3ヘテロクロマチンに着目し、肝臓や膵β細胞の発生過程におけるH3K9me3動態を制御する“パイオニア因子のさらに上流に位置する制御因子”の同定と発生過程におけるH3K9me3動態の意義を明らかにすることを目指しています。

今回の勉強会では、私が日本で行っていたiPS細胞作製技術を応用した組織特異的発がんに関する研究や、がん細胞が示す初期化抵抗性に関する研究を紹介しながら、現在の研究テーマの着想に至った経緯と最新の進捗についてお話しします。時間が許せば、これらの研究の延長線上にある今後の研究構想についても触れたいと思います。様々な角度や視点からご意見をいただけると助かります。どうぞよろしくお願いいたします。 

 

フィラデルフィア日本人勉強会
日時:11月22日(土) 16:00(午後4時00分)より

場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演者(ご所属):秋沢宏紀 さん(Postdoctral Researcher in Nicolas Placta lab, University of Pennsylvania, Placta labのHPのリンク → https://www.plachtalab.com/)


ご講演タイトル:ライブイメージングが明かす初期胚細胞分裂のジレンマ


ご講演要旨:真核細胞は、いくつもの安全装置により細胞分裂の正確性を担保しています。この正確性が最も要求されるのは、その成否が全身のあらゆる細胞に影響する、受精後数回の細胞分裂と考えられます。それにもかかわらず、哺乳類受精卵の安全装置は、一般的な細胞と比べ著しく非効率であることがわかっており、ここに「ジレンマ」があります。


私の所属する研究グループは、蛍光タンパク質を用いて目的の細胞小器官を細胞内で、生きたまま経時的に観察するライブイメージングという手法で、このジレンマが初期胚の特殊性をいかに際立たせるかを調べています。

今回の勉強会では、微小管非依存的な、線維状アクチンによる染色体の凝集 (Hernandez et al., Science 2025) や、安全装置の脆弱性によるヒト胚のモザイク化 (Akizawa et al., Science Advances 2025) について概説してから、現在私が調べているもうひとつの「非効率」性についてみなさまと議論できればと考えております。 

 フィラデルフィア日本人勉強会

日時:10月24日(金) 18:30(午後6時30分)より

場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演者(ご所属):坂本 智弥さん (Senior Research Investigator, Dan Kelly lab, https://www.med.upenn.edu/kellylab/ )


ご講演タイトル:核内受容体による心筋細胞成熟メカニズムの解明

ご講演要旨:心臓の収縮を担う心筋細胞では、出生後に酸化的エネルギー代謝への移行や筋収縮機構の発達といった大きな変化が起こります。エネルギーを産生する仕組みと、そのエネルギーを使って収縮する仕組みが協調して発達するこのプロセスは「心筋細胞の成熟」と呼ばれ、正常な心機能の確立に欠かせません。

近年、この成熟プロセスの破綻が心不全の一因となる可能性が示されており、その分子メカニズムの解明は心不全の予防や治療に直結する重要な課題と考えられています。

今回の勉強会では、核内受容体を介した心筋成熟の仕組みについて、これまでに得られた知見と私たちの最近の取り組みを紹介します。多くの皆様にお聞きいただき、ご意見やご質問をいただきながら、今後の研究の発展につなげていければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。 

フィラデルフィアn日本人勉強会
日時:9月5日(金) 18:30(午後6時30分)より

場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演者:前野浩巳さん

所属:Hiro World Discovery LLC
(前 Rohto Fellow, Sr. Res. Investigator, University of Pennsylvania,
Perelman School of Medicine, Department of Dermatology)

発表タイトル:空間トランスクリプトミクス時代のAI活用によるデータ解析戦略

ご講演要旨:
複雑な多細胞生物の機能はその細胞の空間的組織・配置に深く依存し、すべての細胞が同一のゲノムを持つにもかかわらず、特定の遺伝子発現パターンとその局所的な細胞環境が、組織の機能、発生、疾患の進行を決定することは自明であります。組織における細胞の正確な位置でのタンパク質やRNA発現動態の理解は、疾患を含む多様な生物学的現象の分子レベル解明を可能にし、新規創薬や難治性疾患の克服に直結する重要な研究領域です。2016年のPatrik Ståhl、Joakim Lundeberg、Jonas Frisénらの空間トランスクリプトミクス(ST)論文は、組織画像とハイスループット遺伝子発現解析の統合を実用化した画期的なものです。2025年の今日では、訓練を受けたWet研究者は最大で数千のRNA可視化・組織局在の一次データを比較的簡単に取得でき、メーカー提供のGUIアプリケーションで基本的な可視化も可能です。しかしながら研究特異的な解析要件を満たすには、現在のところR, Pythonといったコンピュータプログラミング言語を使った解析が必要不可欠であり、Wet研究者のデータ解釈の大きな障壁の一つとなっています。本勉強会では、自身の実経験をもとChatGPT, Claude AI, GeminiなどのLLMを使ったコンピュータプログラムの修正などの障壁克服と二次解析の実態を紹介し、障壁に潜む落とし穴(初心者向け情報のAnacondaインストールがもたらす深刻なシステムトラブル等)を説明しながら、勉強会参加者の皆さんのDryへの挑戦の一助になるべく話題提供を行いたいと思います。

 フィラデルフィア日本人勉強会
日時:8月23日(土) 17:00(午後5時00分)より

場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演者:山田健人 さん

所属:Perelman School of Medicine: The Metabolic Discovery Center at Penn所属,  Research Specialist (ラボのHP→ https://www.pigilab.com/、https://medcap.ai/

発表タイトル:超偏極MRIで可視化するピルビン酸の代謝と研究を支えるソフトウェア開発

ご講演要旨:
日本は世界でも有数の「MRI大国」ですが、水素1ではなく炭素13の信号を用いることで、組織構造ではなく代謝イメージングを実現する超偏極MRIが、アメリカでは装置の市販から臨床試験まで進んでいます。MRIでは組織構造をもとに判断しますが、癌細胞内ではピルビン酸が乳酸に分解されやすくなるなど、見て分かる異常の前段階として分子レベルでの変化が起きています。PETやCTなどの従来の画像診断では評価が難しかったこの代謝経路をリアルタイムで可視化することで、早期診断や癌治療後の効果判別への応用が期待されています。私が所属する研究室では超偏極MRIのProof of Conceptとして、まずマウスとブタに高感度化したピルビン酸を与える肝臓、心臓、腎臓の撮影に取り組んできました。水素1と比べて検出できる信号が弱く、投与から1分ほどで撮影に役立つ信号も消えてしまうため、MRIの磁場の調整や炭素13の感度を上げる超偏極装置の不安定な作動など、診断に使える精度に達するまでの試行錯誤や今後の課題をご紹介します。また、私個人としては実験をサポートするソフトウェア開発担当であり、使用するMRI機器によって現状散逸する画像データの型を標準化するプロジェクトにMicrosoftやNIHと取り組みつつ、私たちの実験データを共有するウェブサービスを作っています。まだ始めて1年ほどですが、参加者皆さまのご意見、議論をもとに勉強したいと思います。 

 

日時:7月26日(土) 17:00(午後5時00分)より

場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演者:髙橋慶 さん

所属:Postdoctral fellow in the Division of Experimental Retinal Therapies, the School of Veterinary Medicine, UPenn


発表タイトル:Expansion Microscopyで解き明かす、細胞内微細構造のタンパク質配置  ~視細胞の観察を例に~


要旨: 2014年のノーベル化学賞の受賞対象となった超解像顕微鏡法は、光学系における分解能の限界(回折限界)を超えるイメージングを可能にし、さまざまな生命現象の解明に貢献してきました。これらに対し、2015年に発表された膨張顕微鏡法(Expansion Microscopy; ExM)は、吸水性ポリマーを用いて観察対象そのものを物理的に膨張させるというユニークなアプローチによって、超解像イメージングを実現した技術です(F. Chen et al., Science, 2015)。他の手法とは異なり、ExMは特殊な顕微鏡装置を必要とせず、共焦点顕微鏡を用いたナノスケールの観察が可能な点から、多くの研究者にとって導入しやすい方法として注目されています。近年、ExMを基盤とした多数の改良法が報告されている中で、私たちは特に内因性タンパク質の観察に優れた改良法であるUltrastructure Expansion Microscopy(U-ExM)を活用し、哺乳類視細胞の繊毛やシナプスにおけるタンパク質局在の解析や、視細胞変性の分子メカニズムの解明に取り組んでいます。本勉強会では、ExMの基本的な方法論や他の超解像顕微鏡法との比較を通してその利点や課題を概説したうえで、私たちの視細胞研究から得られた最近の知見をご紹介します。また、本技術の応用可能性や今後の展望について、参加者の皆さまと議論させていただければ幸いです。 

1: フィラデルフィア日本人勉強会
日時:5月24日(土) 17:30(午後5時30分)より

場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演者:斉藤陸さん

所属:埼玉県立大学大学院 博士後期課程 国分研究室 (HP: https://www.taklab.net/) 、現在はUniversity of Pennsylvania, McKay Orthopaedic Research Laboratory, Dyment Lab (HP: https://www.med.upenn.edu/orl/dymentlab/) に滞在中

発表タイトル:完全損傷前十字靭帯を自己治癒に導く保存的治療の基盤となる靭帯治癒メカニズムの解明

要旨: 前十字靭帯 (ACL) 損傷はスポーツ場面で好発する膝関節外傷の一つです.ACLは一度損傷すると自己治癒しないという考えが一般的であるため、現状では外科的ACL再建が唯一の治療法となっています.しかし手術の特性上,筋力低下が長期に残存するほか,骨成長過程にある若年患者には実施できないなど課題も多く残されています.それに対して,所属研究室では実験動物モデルにて損傷後の異常な膝関節運動を制動することでACLが自己治癒することを明らかにしてきました.臨床報告でもACLが自己治癒したとの報告が増加しており,手術を必要としない保存的治療法が新たな治療戦略として広がりつつあります.しかしこれまで自己治癒しないとされてきたACLが,なぜ損傷後の異常関節運動を制動するのみで自己治癒するのかは依然として不明であり,そのACL治癒メカニズムを解明すべく研究に取り組んでいます.勉強会では現在滞在している研究室にて実施している研究を中心に紹介し、皆様と議論させていただきたいと思っております.よろしくお願いいたします. 

2: Chalk Talk Practice

日時:5月24日(土) 16:30(午後4時30分)より

場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)
 

ご講演者:村山 貴彦 さん (Postdoc Associate, Canadas Lab, Fox Chase Cancer Center、CanadasラボのHP→https://www.foxchase.org/israel-canadas


 ご講演要旨:PD-1/PD-L1 等を標的とした免疫チェックポイント阻害薬によるがん免疫療法は一部のがんにおいて非常に重要な役割を果たすようになりました。一方で、がん微小環境中に免疫細胞の浸潤があまり見られないような場合(いわゆるcold tumor)にはほとんど効果が期待できないことも明らかにされてきています。我々はcold tumorの代表例である小細胞肺がんに注目し、tumor-intrinsicな自然免疫応答を誘導することによってがん免疫療法が効きやすい微小環境を整えることを目標として研究を進めています。勉強会ではこれまでに得られた結果を中心にご紹介させていただきます。皆様から様々なご意見をいただけたら幸いです。  

フィラデルフィア日本人勉強会
日時:4月26日(土) 17:00(午後5時00分)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  : 野口 和寛 さん(Postdoctoral Fellow in Rivella's Lab,Division of Hematology, Children's Hospital of Philadelphia, ラボのHP→https://www.research.chop.edu/rivella-laboratory )


ご講演演題  :   

①先天性遺伝性貧血に対する"生体内"造血幹細胞遺伝子治療の開発

②ALK陽性未分化大細胞リンパ腫 small cell variantの病態解明


(もし時間があれば②の方も発表して頂けるとのことです)


ご講演要旨: ①世界で最も多い遺伝性疾患である先天性遺伝性貧血は、赤血球を構成するヘムやグロビンに関与する遺伝子の変異に由来します。2025年現在、根治療法は健常ドナーからの同種造血幹細胞移植しかありません。しかし、適合ドナーが見つかる確率は米国で20%と低く、移植前処置は多臓器不全や不妊など重篤な合併症をもたらします。そこで移植に代わる根治療法として、造血幹細胞の遺伝子治療が注目されています。

現在、造血幹細胞遺伝子治療研究の主流はレンチウイルスベクターを用いた"生体外"造血幹細胞遺伝子治療ですが、レンチウイルスベクターによる発がんリスクや前処置の合併症など、安全性リスクがあり臨床応用が進んでいません。

そこで私達はより安全性の高い治療を目指して、造血幹細胞を標的とする脂質ナノ粒子に塩基エディターとガイドRNAを搭載し静脈内投与する、"生体内"造血幹細胞遺伝子治療の研究を行っています。

勉強会では私が行ってきた研究と現在取り組んでいる研究についてご紹介させて頂き、皆様とディスカッションさせて頂けましたら幸いです。


②ALK陽性未分化大細胞リンパ腫(ALCL: Anaplastic large cell lymphoma)はALKとCD30蛋白を強発現する大型腫瘍細胞が特徴の成熟T細胞リンパ腫です。

small cell variantは、ALKとCD30蛋白の発現が弱い小型腫瘍細胞が大型腫瘍細胞に混在するALCLの亜型です。small cell variantは化学療法を行っても5年生存率50%と一般的なALCLよりも予後不良なため、新規治療開発が求められています。しかし、予後不良となるメカニズムはよく分かっていません。

私達はリンパ腫細胞が血液中に出現する非常に稀な病態を呈したsmall cell variant患者を経験しました。経時的に採取した血液中の腫瘍細胞を解析することで、small cell variantの病態解明に取り組んでいます。これまで行った研究結果をご紹介させて頂き、皆様とディスカッションさせて頂けましたら幸いです。

フィラデルフィア日本人勉強会
 

日時:3月22日(土) 17:00(午後5時)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  : 横溝 陵 さん(Postdoctoral Fellow in Sasaki Lab, Upenn、ご所属の本籍は慈恵医大産婦人科 https://jikei-obgyn.jp/index.html )


ご講演演題  :   医学研究を通じて社会を学ぶ〜研究成果を患者さんに届けるために知っておきたい社会のしくみ〜


ご講演要旨: 私は2012年に医師免許取得後、産婦人科医としての修練を積むとともに、再生医療の実用化を目指した研究に従事してきました。そしてこのペンシルベニア大学に留学させて頂く前には、厚生労働省において、再生医療の臨床応用における研究・診療に関する規制担当官として勤務する機会をいただきました。これまでの自らの経験を皆さんと共有させていただき、医師として、研究者として、そして行政として研究をどのように考えるか、ディスカッションさせていただきたいと考えています。そして理系として歩む人生において初めて経験した法律の勉強、(当時の)センター試験に向けて勉強した「政治・経済」が実際にどのように動いているかなど、お話させていただければと思います。 

フィラデルフィア日本人勉強会
日時:2月15日(土) 17:00(午後5時)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  : 水口 萌子 さん(Associate Staff Scientist in Nishikura Lab, The Wistar Institute, Nishikura LabのHPのリンク→https://www.wistar.org/our-scientists/kazuko-nishikura/


ご講演演題  :   RNA編集酵素ADAR1の生物学的意義の解明と癌免疫治療への応用


ご講演要旨: 近年、RNA編集は自己免疫疾患や癌との関連から注目されています。特に、Adenosine Deaminase Acting on RNA (ADAR) 1によるアデノシン-to-イノシン(A-to-I)編集の重要性が明らかになってきました。RNA編集はRNAの構造や機能を変化させるだけでなく、内在性レトロエレメント(AluやEndogenous retrovirus (ERV))由来の二重鎖RNA(double-stranded RNA(dsRNA))が免疫系に「外来」として認識されるのを防ぐことで、自然免疫応答を調節する役割を持ちます。また、多くの癌でRNA編集レベルが正常組織に比べて有意に高いことが示されています。この背景のもと、私は西倉研究室で、ADAR1の生物学的意義の解明、および癌治療への応用を目指した研究に取り組んできました。具体的には、1) ADAR1とテロメアR-loop制御の関連性の研究(Shiromoto, Sakurai, Minakuchi et al., 2021 Nature Commun)、2) ADAR1阻害剤「ADAR1i-124」の探索研究および癌細胞におけるRNA編集による自然免疫応答の制御に関する研究(Minakuchi, Haoran, et al., submitted)に従事してきました。勉強会では、現在取り組んでいるADAR1阻害剤の開発に関する研究結果を中心にお話するとともに、私自身の経験も踏まえた次世代研究者の教育や育成方法について、皆さまと議論できたら幸いです。

 フィラデルフィア日本人勉強会

日時:1月25日(土) 16:30(午後4:30時)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  : 佐藤 哲也さん 


ご講演演題  :   飲み屋でドヤれる?ワインの基礎知識講座


ご講演要旨:

酒屋やレストランで、どのワインを選べば良いか迷っている方はいませんか?ワインの基礎知識を身につけてしまえば、どのような場面でどのワインを選べば良いか、簡単に理解できます。

今回の勉強会ではワインの基礎知識を学び、後の懇親会で実際にワインを体験(味見)してみたいと思います。

4:30〜6:00 勉強会(座学)=参加費無料、

6:30〜 懇親会(実地, Riverwalk Philly-North, 60 N 23rd St Tower, Philadelphia, PA 19103の共用スペースを予定しています)=ワイン代$30/1人+軽食代、最大15名くらいまで 


 フィラデルフィア日本人勉強会
日時:12月21日(土) 16:30(午後16:30時)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  : 井上 晋一さん (Post Docoral Fellow, Upenn Mitch Lazar lab、LazarラボのHP→https://lazarlabpenn.com/)

ご講演演題  :   熱産生の生理学 -褐色脂肪細胞が寒冷環境記憶を持つことを発見-

ご講演要旨:恒温動物は外界の温度変化にかかわりなく体温を一定に保つ能力を持っている。急激な環境温度低下において、齧歯類は一時的な骨格筋を介した「震え」、褐色脂肪細胞による「非震え」による熱産生によって体温を維持する。しかしながら、褐色脂肪細胞が環境温度の変化をどのように感じ取り、記憶するのか、そもそも褐色脂肪細胞に環境温度に対しての記憶が存在するかどうかは明らかではない。
最近我々の研究室では、褐色脂肪細胞は一度受けた寒冷刺激を記憶し熱産生能を高め、来たるべき寒冷刺激に備えていることを発見した。またそのメカニズムとして寒冷記憶には転写因子CCAAT/enhancer-binding protein (C/EBP)の一つであるC/EBPβが重要であることを報告しました。勉強会では熱産生について包括的に概説するとともに当研究室の最新知見を踏まえて発表させて頂きます。 

日本人フィラデルフィア勉強会
 

日時:11月23日(土) 16:30(午後4時30分)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  : 宍倉 匡祐 さん (Postdoc Researcher, Megan Matthews Lab, Upenn、宍倉さんのラボのHP→https://matthewslab.org/)


ご講演演題  :   Uncovering the mechanistic mystery of a 70-years-old drug leads to novel therapeutic strategy for cancer—from serendipitous to rationale repurposing


ご講演要旨: 「化合物合成→表現型解析」を経る偶然性に依存した昭和の創薬は、「標的選定→化合物合成」を行う現代の創薬に対して非効率的であるものの、現代の薬理・生物学的知見をもってしても理解しえない“標的・メカニズム不明”な薬を生み出しました。これらの薬の標的を同定することは、薬理学的に新規性があるのみならず、1. 使用されている病気の新たな創薬標的の発見、2. 標的を頼りにしたdrug repurposingを可能にするなど多岐にわたる波及効果が期待できます。私は当ラボが開発した酵素の活性部位をとらえ、小分子化合物の標的同定を行う技術であるreverse-polarity activity-based protein profiling (RP-ABPP)をもちいることで、70年間使い続けられている世界最古の降圧薬の標的・メカニズム解明を行いました。そしてその標的・メカニズムを頼りに、その薬が特定の癌へ有効であることを示し、drug repurposingを行える可能性を示しました。本発表では我々の技術であるRP-ABPPを解説し最近の研究成果を発表します。


 
日時:10月19日(土) 17:00(午後5時)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  : 村山 貴彦 さん (Postdoc Associate, Canadas Lab, Fox Chase Cancer Center、CanadasラボのHP→https://www.foxchase.org/israel-canadas)

ご講演演題  :   自然免疫応答を利用したがん微小環境の制御

ご講演要旨:PD-1/PD-L1 等を標的とした免疫チェックポイント阻害薬によるがん免疫療法は一部のがんにおいて非常に重要な役割を果たすようになりました。一方で、がん微小環境中に免疫細胞の浸潤があまり見られないような場合(いわゆるcold tumor)にはほとんど効果が期待できないことも明らかにされてきています。我々はcold tumorの代表例である小細胞肺がんに注目し、tumor-intrinsicな自然免疫応答を誘導することによってがん免疫療法が効きやすい微小環境を整えることを目標として研究を進めています。勉強会ではこれまでに得られた結果を中心にご紹介させていただきます。皆様から様々なご意見をいただけたら幸いです。 

フィラデルフィア日本人勉強会
 

日時:9月16日(月) 18:00(午後6時)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  : 藤田幸 先生 (島根大学医学部医学科解剖学講座(発生生物学)教授)


ご講演演題  :   神経回路の形成と修復のメカニズムについて


ご講演要旨:哺乳類の成体の脳や脊髄が損傷を受けた場合、失われた神経機能を取り戻すことは非常に困難です。一方で、発生・発達期には、盛んに神経回路が形成され、多様な神経機能を獲得していきます。勉強会では、発生期の神経回路形成と哺乳類成体における再生阻害のメカニズムを紹介します。両者の共通点や相違点を明らかにし、脳や脊髄における神経回路修復、機能回復を促すメカニズムの全貌解明へ向けて、必要な戦略や技術を議論できればと思います。また、留学から帰国後、ラボ立ち上げで経験してきたことをお話しさせていただきます。 

フィラデルフィア日本人勉強会

日時:8月17日(土) 17:00(午後5時)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)


ご講演者 : 藤城正樹さん(東京大学医学部医学科3年生、UPenn Microbiology department Betts lab, Betts labのHP→https://www.bettslab.org/)


ご講演演題 : HIV潜伏感染のエピジェネティック制御

ご講演要旨:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こし、全世界で4000万人以上もの感染者がいる公衆衛生への深刻な脅威である。Antiretroviral Therapy (ART)により、患者の予後が飛躍的に改善するようになったが、未だHIVの根治には至っていない。HIVの治癒が困難な理由は、一部の感染細胞がウィルスの産生が抑えられた潜伏状態にあることによる。潜伏感染した細胞は宿主の免疫システムやARTから逃れるため、それらの細胞が再び活性化し、二次感染する可能性が常に存在するのである。そのため、HIVの根治には潜伏感染のメカニズム解明が必須である。潜伏感染にはEpigenetic制御が重大な役割を果たしているとされるが、その詳細は不明である。私たちは、HIV感染細胞株のchromatin immunoprecipitation (ChIP) with Sequencing (ChIP-Seq)を行うことで、その解明を試みた。

ご経歴:
2021年 東京大学理科三類入学
2023年 東京大学医学部医学科進学
2023年秋ー2024年春 Swarthmore Collegeにおいて交換留学を行う

2024年 夏 University of PennsylvaniaにおいてSummer Research

フィラデルフィア日本人勉強会

日時:7月27日(土)18:00(午後6:00)
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  : 佐々木恒太郎 先生 (ペンシルバニア大学(獣医学部及び医学部病理部門、Assistant Professor)
Sasaki labのリンク→https://sasaki-lab.org/

ご講演演題:米国における研究室立ち上げの実際ー臨床医、基礎医学研究者としての私のキャリア構築について

ご講演要旨:
私は基礎医学か、臨床か、それとも両方かというキャリア選択について何度も考え、揺れ動きながらキャリアを積んできました。
いままでポスドクとして、研修医としての一度目の渡米、そしてペンシルバニア大学で独立ポジション獲得による2度目の渡米を経験しました。
今回、私の経験を踏まえて、米国で医学研究者としてもしくは臨床医として働くための効率的なアカデミアキャリアパス戦略について議論したいとおもいます。

 

フィラデルフィア日本人勉強会

日時:6月28日(土) 18:00(午後6時)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者1&2  : 岩瀬すみれ さん、 可児百萌 さん(横浜市立大学医学部医学科4年生、visiting students of Satoru Eguchi lab in Temple University, Eguchi 先生のHPのリンク →
https://medicine.temple.edu/satoru-eguchi)

ご講演演題 :  人工甘味料が血管平滑筋細胞(VSMC)のオートファジーに及ぼす影響

ご講演要旨:スクラロースはアメリカで最もシェアが高い人工甘味料で、カフェやレストランでよく見かける黄色いパッケージの『Splenda』や清涼飲料水にも多く含まれています。私たちは、スクラロースが胸部大動脈の血管平滑筋細胞 (VSMC) のオートファジーに他の甘味料と比較してどのように影響を及ぼすか研究しました。例えば、大動脈のVSMCでオートファジーがうまくいかない場合、循環器系の疾患につながる可能性があります。基礎研究と臨床をつなげ、将来的には人工甘味料が人体にどのように影響するかの全貌が明らかになることを期待しています。


ご講演演者3 : 松田理子さん(大分大学医学部4年生, a visiting student in Upenn)

ご講演演題:MSCs preconditioned with TNFa have therapeutic benefits and immunosuppressive effects for myocardial infarction (仮)

ご講演要旨:心筋虚血における治療の一つとして、細胞外小胞を虚血部分に届ける方法を考えています。しかし細胞外小胞にはいくつかの問題点があり、その解決の一つとしてサイトカインで前処理を行う方法があり、それについて研究を行っています。

 

フィラデルフィア日本人会

日時:5月25日(土) 16:00(午後4時)より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  :  眞山学徳 さん(Postdoctral Researcher in Kotaro Sasaki lab, University of Pennsylvania, Sasaki labのHPのリンク →
https://sasaki-lab.org/)


ご講演演題(予定) :   副腎の試験管内再構築 発生学から再生医療へ

ご講演要旨(予定): Sasaki Labではヒト性腺および副腎の初期発生の理解とヒトiPS細胞を使用した試験管内再構築に取り組んでいます。次回の勉強会ではヒトiPS細胞からの副腎皮質の各種構成細胞への分化誘導法の確立および副腎皮質の3次元的再構成についてお話しできればと思います。またこの技術を使用し、副腎不全の治療に向けた再生医療を目指すbio ventureの設立を目指しており、translationalな側面についても触れる予定です。




フィラデルフィア日本人会

日時:4月6日(土) 16:00より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  :  森田一軌さん(Postdoctral Researcher in Andrew M. Rappe Lab, Department of Chemistry, University of Pennsylvania, Andrew M. Rappe labのHPのリンク →
https://web.sas.upenn.edu/rappegroup/)


ご講演演題(予定) :   量子力学から見る材料化学テクノロジーの世界〜これまでの発展と今後〜

ご講演要旨(予定): 前世紀の終わりから現在までに最も成長した技術の一つは計算機です。Intel社の創始者であるGordon Mooreは二年ごとに計算性能が二倍になると予想し、今日までその指数関数的成長は続いてきました。計算機は情報化社会の礎になるのみならず、科学技術の発展にも多いに貢献してきました。中でも第一原理計算の分野は目覚ましい発展を遂げました。第一原理計算とは電子の量子力学の方程式を数値的に解くことによって分子や結晶の特性を求める手法です。第一原理計算は計算コストが高く、現実的な時間内に問題を解くために様々な工夫がなされてきました。今回の勉強会ではその発展を専門的な知識がなくてもわかるように噛み砕いて説明したいと思います。また、近年機械学習や量子コンピュータなどの技術が話題になっております。第一原理計算はこれらの技術の恩恵を受け発展するのみならず、これらの技術のさらなる発展にも貢献すると考えられます。これらの技術の仕組みを説明すると同時に第一原理計算の分野との関わりを説明します。私のPennでの研究テーマである非線形光学の第一原理計算に触れつつ、いつものようにインタラクティブに進めたいと思います。

 

フィラデルフィア日本人勉強会

日時:3月15日(土) 18:00より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

ご講演演者  :  秋沢宏紀(Postdoctral Researcher in Nicolas Placta lab, University of Pennsylvania, Placta labのHPのリンク →
https://www.plachtalab.com/)


ご講演演題(予定) :   発生工学の変遷とライブイメージングの台頭


ご講演要旨(予定): 次回の勉強会では、発生工学、特に哺乳類の着床前胚発生における人為的介入がどのように発生メカニズムの解明に貢献してきたかを話します。私の北大でのウシ胚、マサチューセッツでの卵子活性化の話を紹介し、その後は現在所属しているNicolas Placta labで行われてきたライブイメージングを初期胚発生のパラダイムに持ち込んだ話をしたいと思います。 

フィラデルフィア日本人勉強会
 
日時:2月17日(土) 16:00より
場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)

講演演者   :    伊藤謙治(Postdoctral Researcher in Kenneth S. Zaret Lab, University of Pennsylvania)
講演演題   :   パイオニア転写因子を用いた体細胞リプログラミング研究のこれまでとこれから
講演要旨 山中教授のグループによるiPS細胞作製技術の発見は、生命科学研究に大きな変化、発展、そして可能性をもたらしました。iPS細胞作製技術などの体細胞リプログラミング技術はパイオニア転写因子と呼ばれる転写因子のサブセットを体細胞に導入する技術です。今回の勉強会では、パイオニア因子の体細胞リプログラミングにおける役割を簡単に紹介するとともに、渡米前に私が行っていたiPS細胞作製技術を使ったがん研究と、その研究を通して現在の所属ラボに留学するに至った経緯を、自己紹介も兼ねて簡単に紹介したいと思います。また、同じ領域の他のグループからの最新の研究成果を紹介しながら、今後この研究分野がどのような問題を解決していく必要があるのかを皆さんと討論出来ればと思います。 

フィラデルフィア日本人勉強会
 

日時:1月6日(土) 16:00より

場所:Smilow Research Center 9th floor Conference room (9-100)


ご講演演者1   :    国分貴徳 先生(埼玉県立大学 大学院保健医療福祉学研究科 准教授、 Visiting Associate Professor in University of Pennsylvania Department of Orthopaedic Surgery)

ご講演演題    :    日本におけるJunior PIの現状と研究室運営戦略

ご講演要旨    :    現在日本でいわゆるJunior PIとして研究室を運営している立場から,日本のPI環境や,自分の見聞きしたアメリカのPI環境との違い,それらを踏まえた上で自身がこれまでに行ってきた研究室運営と今後の展開について考えていること等についてお話ししたいと考えています. 


ご講演演者2   :    伊藤謙治 さん(Postdoctral Researcher in Kenneth S. Zaret Lab, University of Pennsylvania)

ご講演演題    :   パイオニア転写因子を用いた体細胞リプログラミング研究のこれまでとこれから

ご講演要旨 山中教授のグループによるiPS細胞作製技術の発見は、生命科学研究に大きな変化、発展、そして可能性をもたらしました。iPS細胞作製技術などの体細胞リプログラミング技術はパイオニア転写因子と呼ばれる転写因子のサブセットを体細胞に導入する技術です。今回の勉強会では、パイオニア因子の体細胞リプログラミングにおける役割を簡単に紹介するとともに、渡米前に私が行っていたiPS細胞作製技術を使ったがん研究を紹介したいと思います。また、他のグループからの最近の研究成果を踏まえて今後どのような問題を解決していく必要があるのかを皆さんと討論出来ればと思います。



みなさまの参加をお待ちしております。 

フィラデルフィア日本人勉強会
12月1日(金)18:00-19:30


場所:Smilow Center for Translational Research
ご講演演者:茂松 恵 先生 (Thomas Jefferson University)
ご講演演題:アメリカでのアカデミックキャリアについて考える(仮)

ご講演要旨:研究者として12年間アメリカの大学に勤務した経験を元に、アメリカのアカデミアにおけるキャリア形成についてお話しさせて頂きます。専門はBiochemistry、Molecular biologyのため医学生物学系の話が中心にはなりますが、分野に依らない共通のトピックもあります。情報発信のみではなく意見交換や質疑応答などができる会になればと思います。大まかな発表内容は以下の通りです。 ・アカデミックポジションの多様性と就労ビザについて ・大学における研究室の一般的な運営方法について ・キャリアパスの理想と現実 ・ポスドクーPI問題 ・研究者としての転機やステップアップについて。


フィラデルフィア日本人勉強会
11月17日(金)18:00-19:30

場所:Zoom (リンクは当日午前中にアップ) & UPENN Smilow 9F

タイトル:原子の世界を見る・触る・測る!
〜マイクロマシンが切り開く、新らしい電子顕微鏡観察技術〜

ご講演:佐藤隆昭 先生

ご講演要旨:透過型電子顕微鏡は、原子の動きをリアルタイムで観察できる素晴らしい顕微鏡です。私はこの顕微鏡の内でマイクロマシンを動かすことで、原子の世界をただ見るだけでなく、原子に触れたり、測ったりできる実験系を作りました。例えば、液体の中で動くナノスケールの粒子を観察したり、摩擦を原子スケールで観察したり、材料の変形を原子スケールで観察したり、いろいろな実験をしてきました。できるだけ難しい部分を省きつつ、マイクロマシンと電子顕微鏡の基本的な部分と、最新の観察技術を紹介したいと思います。

フィラデルフィア日本人勉強会
10月6日(金)17:30-19:30


ご講演:森 洋一朗 先生 (UPENN, Dept. Math, Calabi-Simons Professor in Mathematics and Biology)

場所:BRB II/III, Rm1001, University of Pennsylvania 

ご講演タイトル:細胞の体積調節と電解質バランスの数理

ご講演要旨:~動物細胞の体積調節はNaK ATPase を駆動して細胞内外のイオン濃度勾配を制御することによって行われている。体積調節と電解質バランスの細胞生理について模式的説明を与えたのち、細胞体積調節の数理モデルであるpump-leak モデルについて紹介する。体積調節のホメオスタシスをこの数理モデルを用いてどのように解析ができるかを解説し、その解析を通して体積調節の熱力学的背景が浮かび上がってくることを見る。以上の pump-leak モデルの理解を土台として組織レベルの電気生理現象に適用可能な数理モデルを構築することが可能となる。この数理モデルを偏頭痛の前兆である閃輝性暗点の病態生理学的実態である皮質拡延性抑制に応用したシミュレーション研究を紹介する。時間が許せば、細胞の動きへの応用についても紹介する。~
講演会場:BRB II/III, Rm1001 (10F 会議室) 、会議室ビルへの入館に際してSecurityへ会議参加をドアフォンを使って連絡いただき入館、エレベーターホールにお越しいただき、10階までお越しください。会場はエレベーターホールに面しております。
ご講演後7:30PM頃から Han Dynasty (3711 Market St.)で交流会を予定しています。交流会からの参加も大歓迎です。